健康

夏だけじゃない!? 心身ともにバランスを崩しやすい「土用」を豊かに乗り切る方法

「土用」とは?

最近の夏場は厳しい暑さに見舞われることも少なくありません。中には夏バテに陥る人もいます。夏バテ対策としてうなぎを食べようと思う人もいるでしょう。そこで、「土用の丑の日」という言葉を聞いたことはありませんか?

この「土用」というのは夏だけでなく、実は年に4回あるのをご存知でしょうか。夏以外も心身ともに不調になりやすい時期と言われていて、体調を崩しやすいのです。ですから、注意した方がいいでしょう。

「土用」は「土を用いる」と表記します。この期間中、「土公神」が土を使用すると言われているのです。土公神とは土をつかさどる神様のことで、神様が土を使っているため、人間が土を使おうとすると祟りが起こると考えられています。

土用は1月と4月、7月、10月と年に4回訪れ、その期間はそれぞれ19日前後です。期間については毎年少しずつ変わります。気学の世界では太陰太陽暦を採用しているのですが、立春がいつになるかで変わり、その影響で期間も多少前後してしまうからです。その年はいつから始まっていつまでなのか、チェックするといいでしょう。

この期間に体調を崩すのは、ある意味、もっともなことです。いずれもちょうど季節の変わり目に当たるからです。気温差も激しくなるので体調を崩しやすくなりますし、季節が変わると生活環境もいろいろと大きく変わる可能性があります。その結果、精神的に不安定になる人も少なくないわけです。

土用に避けたい5つのポイント

この時期に避けたいこととして、まず先ほども紹介したように、土の神様が土を用いる期間なので、私たち人間は使用してはなりません。ガーデニングや草むしりなどは避けたほうがいいでしょう。また、土の中で作業する建物の基礎工事も避けるべきです。しかし、中には花屋さんや造園業者など、土に触れないと商売にならない人もいるでしょう。その場合には、作業が終わったら速やかに手を洗って、土を洗い落とすように心がけましょう。

2つ目の注意点として、不要不急の旅行や出張などの移動は避けたほうがいいでしょう。季節の変わり目に当たるので体調を崩しやすく、そのような時に体力を使う旅行はできることなら避けたいものです。もしどうしても移動する必要があれば、胃腸薬をはじめとして、持病の薬を携帯しておいた方が安心です。さらに、方角にも注意しましょう。1月は丑、4月は辰、7月は未、10月は戌の方位には行くべきではありません。凶の影響を受けやすいからです。

3つ目は無理をしないことです。季節の変わり目なので体に大きな負担がかかり、心身ともに不調に陥りやすい時期だからです。仕事などのスケジュールには余裕のあるように調整しましょう。予定をいろいろと詰め込み過ぎてしまうと、どうしても体力を消耗します。また、ストレス解消法を自分なりにマスターしておくことです。ストレスをため込みすぎてしまうと、どうしても精神的なコンディションを崩してしまうからです。この期間は胃腸に優しいものを食べるといいです。ちなみに、ウナギを食べるならわしは、昔から「う」のつく食材がいいと言われていたことが関係しています。

4つ目はデトックスを心がけることです。デトックスとは体内にたまっている有毒なものを出すことです。デトックスの方法はいろいろとありますが、汗で排出する方法はいろいろなメディアで紹介されています。身体を動かす、サウナに入るなどして、しっかり汗を出しましょう。この時期に体調を崩すと発熱することもあるでしょう。この時、解熱剤を使う人もいるかもしれませんが、あまりおすすめできません。発熱は、体温を上げることでウイルスなどをやっつける働きです。熱を出し切ることで、回復も早くなると見られています。解熱をしないと生死にかかわるという場合はもちろん例外ですが、熱が出ても薬を飲まず、そのままにしておくほうがいいでしょう。

最後のポイントは、何か新しいことを始めるのであれば、期間明けを狙うことです。体調を崩すということは、判断力が鈍っているかもしれません。そのような時に何かを始めてしまうと、後悔する事態に陥る可能性も高いです。何か事業を始めようとか、仕事やマイホーム購入などで契約を結ぼうとか、引っ越そうとか考えているのであれば、この期間が終わってから取り掛かったほうが吉です。

先人優れた智慧を活用しよう!

先祖は経験から、この期間がいかに重要かを学んできました。そして、現代を生きる私たちに、暦という形で残してくれています。このような重要な情報や知恵を活用しない術はないはずです。心身ともに健康でなければ、仕事をバリバリこなすこともできませんし、どこかに遊びに出かけることも難しくなります。「体が資本」と言うように、健康維持が充実した生活の礎になります。そのことを理解して、この期間をどう過ごすか、真剣に考えてみませんか?