健康

75年の調査で明らかになった「人間が幸せを感じる条件」とは?

ハーバード大学が75年に渡る調査によって明らかにした「人間が幸せを感じる条件」はご存知でしょうか?私達が想像していた結果とは、少し違った調査結果が発表されています。「幸せの条件」と聞くと、お金や名誉、地位、名声などが必要であるイメージがありますが、そういったことではなく、最も大切なのは「良質な人間関係」であるという結果が報告されました。では、「良質な人間関係」とは、一体どういったものなのでしょうか?良質な人間関係を築けている人は、健康で幸せな人生を送ることができます。人間関係が記憶障害などにも影響を及ぼし、良質な人間関係を築いている人と、築けていない人では脳にも影響を及ぼすことが分かっています。この、ハーバード大学の調査結果は、健康で幸せな人生を送りたい、と思っている人は知っておくことをおすすめします。

75年に渡る調査結果

健康で幸せな人生を送るのに必要な条件は、富や地位、お金などではなく、いい人間関係を築くこと、ということがハーバード大学の調査で判明しました。いざというときに頼ることができる人がいる人は、頼ることができる人がいない人に比べ、記憶がはっきりしていることも分かっています。頼れる人がいない人は、記憶障害が早期に現れます。いい人間関係は脳を守ることにもつながるのです。また、絆が強いほど健康に良い効果があることも判明しました。アメリカのロゼトという町での調査結果で、社会的な結びつきや絆の強さが健康に影響するという結果が出ています。健康で幸せな人生を送るための条件に必要な人間関係で重要なのは、量より質です。

心の底から信頼できる人がいるか、安心できる人、素を見せることができる人が身近にいるか、ということが重要になってきます。例えば、いつも喧嘩をしているような夫婦関係では、お互いの心身に悪影響を与えてしまいます。自分の人間関係を振り返った際に、健康で幸せな人生を送るのに必要な人間関係の条件を満たしているか、振り返ってみましょう。満たしている、と思った人は、現在の人間関係を大切にし、損なわないよう努力していきましょう。満たしていない、と思った人は、どの部分が満たしていないのか、掘り下げて考えてみましょう。

例えば、よく夫婦喧嘩をしてしまっている場合は、自分の5つ星を整理し、相手への対処方法を変えることが必要になります。夫婦仲が良くなれば、頼ることができる人、絆が強い人、信頼できる人など、健康で幸せな人生を送るための人間関係の条件を満たしていくことができます。まずは、一番近くにいるパートナーとの人間関係を改善していくことをおすすめします。

「悦び」と「幸せ」の違い

「悦び」とは、心の中におけるよろこびの感情のことを指します。「悦び」を感じるためには、自分の中から発生するよろこびを表すこと、自分の感情に素直になること、自分軸で生きること、感謝の気持を持つこと、ものを大切に扱うこと、大切な仲間を持つこと、自分で目標を立てることなどが必要になってきます。「悦び」の感情の拠り所は、自分の感性なのです。自分の感性を大切にすることで「悦び」を感じることができます。

「幸せ」とは、他人との関わりや、外部からの刺激によって生まれる感情のことを指します。「幸せ」には2種類あり、短期的なものと長期的なものがあります。短期的なものは、例えば、「美味しいものを食べて幸せ」といった、ある特定の状況で感じる一時的な感情のことになります。この一時的な感情の「幸せ」はキリがなく、「幸せ」を感じたあと「もっとこの幸せを感じたい」と思うようになります。「幸せ」と「もっと」という感情の間を行ったり来たりするので、次第に永遠に不満を感じるようになってしまいます。長期的な「幸せ」とは、夢や目標に向かっていくときに感じるものです。老いや死が迫っても崩れない幸せが本当の幸せと言えるでしょう。短期的な「幸せ」だけでは、次第に不満に感じてくるようになり、長期的な「幸せ」だけでは、長続きしないでしょう。短期的な「幸せ」も長期的な「幸せ」もどちらもバランス良く、人生の中には必要になります。「悦び」と「幸せ」の違いは、「悦び」は自分の中から見つける感情で、自分ひとりだけで得られるものなのに対し、「幸せ」は他人との関わりや外部からの刺激によって得られる感情であり、自分ひとりでは得ることができないものです。

ハーバード大学の長年の調査によって、人間の幸せの条件は、良質な人間関係であることが分かりました。良質な人間関係が築けていると、健康で長生きできることも判明しています。大切な仲間に囲まれて、楽しい時間を長く過ごせることは、とても幸せなことですね。楽しく幸せな人生を送るためにも、今から良質な人間関係を築いていけるよう、努力していきましょう。そのためには、自分の感性を大切にし、日々の生活の中で悦びを感じること、短期的な幸せと、長期的な幸せのどちらもバランス良く取り入れることが必要です。