人が社会生活を送っていると、本当の自分を見失ってしまうことは珍しくありません。人の考えというのは一人ひとり違って当然ですので、自分はそうではないと思っても他人の考えに合わせて行かなくてはならない時があるものです。特に仕事をしていれば、上司の考えに反論するのは簡単なことではないでしょう。たいていは、自分の気持ちとは裏腹に上司の考えに合わせて行動しているのではないでしょうか。しかし、このようなことはいつまでも続けられるものではありません。いつの間にか自分を苦しめていることに自分自身で気づくはずです。これが本当の自分を見失ってしまった状態です。
上司の言うことに素直に従う部下は、上司にとってはとても「いい人」です。また、いい人という意味は他でも使われます。例えば、あなたの周囲にもとてもやさしい人がいるはずです。やさしい人というと誉め言葉にしか聞こえませんが、本人は周囲に嫌われてしまうのを恐れて人にやさしくすることしかできないだけなのかもしれません。自分の考えは言わず人の考えに賛同するのみで、相手に切り返すなどということは決してできないだけの人です。また、「お人よし」もいい人といえます。自分の信念がほとんどないので、何か頼まれれば引き受けること以外選択肢はありません。そのため、面倒なことはすべて引き受けなくてはならなくなります。中には、会社のためになるのだからやりがいがあるのだと自分に言い聞かせている人もいることでしょう。しかし、実際には身も心もすり減らしているだけだったりします。自分の人生に対するビジョンというものも持ち合わせていないので、生きがいもなく親の言いなりになっている人もいます。また、人の意見に無意味に笑うことしかできないので、愛想笑いが得意というのも特徴といえるでしょう。いい人もお人よしも、本当の自分が見えなくなっている人です。