家族・くらし

ご近所付き合いが楽になる方法

ご近所付き合いに苦労している人は今も昔もいます。ただ、現在のコロナ禍において、これまで以上に他人の目が気になることはないでしょうか。しかし、いくら他人の目を気にしても、それで周りに振り回されない自分を手に入れることはできません。むしろ逆です。自分を知ること、自分の5つ星を手に入れることが、ご近所付き合いに悩まなくてよくなるためのコツなのです。

相手のご機嫌取りをしなくてもうまくいく理由

ご近所さんに限らず、他人の機嫌が気になって仕方がないという方は少なくないでしょう。他人のちょっとした振る舞いや表情にすぐ振り回されてしまうのです。相手の表情が少しでも曇っていると、「自分が何か気に入らないことをしたのかも」などと、その人の機嫌の悪さを自分のせいだと思ってしまいます。

もちろん、周囲の人の表情が曇っていたからといって、もちろんそのすべてが自分のせいばかりとは限りません。むしろ、表情が曇っているように見えたのは、自分の気のせいであって、実際は機嫌を悪くしているどころか、その人は何も感じていないということもよくあることです。

そんなことは理解しているつもりなのに、どうしても相手のご機嫌が気になってしまうからこそ悩んでいるのではないでしょうか。これはつらい状態です。自分で直したいと思っていても、それができずにやっぱり他人の目が気になってしまいます。そのせいで、必要以上に卑屈になってしまうようでは、そのことが相手の機嫌を損ねる原因にもなりかねません。

なぜこのような心理状態になるのかというと、自分を必要以上に低く見積もっているからです。自己肯定感が低いといってもよいでしょう。つまり、いつも「自分なんて…」と自分を否定しているわけです。こういう状態では、何があってもすべては自分がダメなせいだと思いこんでしまいます。相手の表情が曇ったように見えるのも自分のせいなら、仕事がちょっとうまくいかないこともすべて自分が悪いということになってしまうのです。

この悪い状態から抜け出すにはどうすればよいのでしょうか?人の気持ちをちゃんと読み取るように努力することではありません。もっと愛想良くなることなど、他人のご機嫌取りでももちろんないです。大切なのは、自分を否定することをやめることです。「自分はダメではない。このままで大丈夫な存在。」と知ることが、他人の視線が気にならなくなる第一歩です。自分は自分で大丈夫と知ることで、他人がどう思おうが「それは自分のせいではない。その人の問題だ」と割り切れるようになります。

他人の目が気になって周りに振り回されてしまうのは、何かあった時にまず自分を否定してしまうプログラムが自分の中にできてしまっているからです。そのため、頭では違うと思っても、体の中のプログラムが勝手に発動してしまいます。だから、たとえばご近所付き合いでも必要以上に気を遣い、何かあればすぐに「自分が悪い」、「ダメな自分のせいだ」と思うようになってしまっているのです。

実際、すべて自分が悪いという視点で周りを眺めてみると、その証拠になりそうなことはいくらでも見つかります。人間関係は相手と自分がいてこそ成り立つ関係です。その相手が機嫌を損ねている場合、考えようによっては自分に原因があるのかもと思うのは難しくありません。実際は、あなたと関係ないことかもしれないのにもかかわらずです。

では、どうやってこのプログラムを停止すればよいのでしょうか。自分は自分、他人は他人、過去のことは過去のことと割り切ることがスタートです。

過去と他人は変えられない

過去と他人は変えられないということを聞いたことはないでしょうか。事実その通りで、過去に起こったことはどんなに努力しても変えられません。それと同じで、他人に働きかけることはできても、他人をすっかり変えてしまうことはできないのです。

ということは、相手の機嫌が悪い場合、なんとか機嫌を直してもらおうとしても、その人がそのつもりにならない限り無理だということになります。たとえその人が機嫌を悪くした原因があなたにあったとしても、機嫌を悪くするという選択をしたのはその人自身です。ですから、その人が機嫌を直すには、その人自身がそうしようと努力しなければなりません。

もちろん自分が相手に迷惑をかけたという自覚があるのなら、そのことは素直に謝りましょう。ただ、誠意を持って謝った後、相手がどう感じるかは相手の問題です。あなたがどうこうできる問題ではありません。そこまで相手のことに責任を持つ必要はないのです。

過去と他人を変えることはできなくても、自分を変えることはできます。体に染み付いたプログラムを書き換えるのは簡単ではありませんが、そういうプログラムを持っている自分を知ることが第一歩になります。そして、自分が変えられるのは自分だけということに気づけば、自分を否定する思いが消えていくとともに、必要以上に他人に振り回されなくてもよくなるでしょう。