開運

あなたの“本当の干支”とは?

木の「幹」と「枝」の関係性

「干支は何ですか?」と聞かれたら、多くの人がパッと答えられるでしょう。しかし、それはもしかすると正確ではないかもしれません。気学と密接に関係する話なのですが、気学は天の気と地の気、人の気の3種類のエネルギーの組み合わせによって、個人や社会情勢、自然現象などにどのような影響を与えるか、鑑定していきます。そして、干支とは天の気である十干と地の気である十二支の組み合わせを指します。

もう少し詳しく見ていきましょう。気学の根本にあるのが陰陽五行思想です。まず、万物は5種類の元素によって構成されているという五行思想があります。5種類の元素とは、火と水、土、木、金を指します。そして、この5つの要素はお互いに影響を及ぼし合っているという考え方がベースにあります。その影響が個人や自然、社会を変化させる原動力になっています。これが五行思想のアプローチの基本です。

一方で、この世界には陽と陰の2種類の気があるというのが陰陽思想です。この相反する2つの気の相互作用によって、万物が作られているというのが陰陽思想のベースです。この両者を組み合わせたものが陰陽五行思想です。さらに、この陰陽五行思想には三才思想というものも含まれます。三才思想で登場するのが、先ほど紹介した天の気と地の気、人の気です。この3つの要素が複雑に絡み合って、天地自然が構成されているという考え方です。気学などはこの3つの要素を読み解くことで、天地自然の摂理を理解しようという学問です。

気学は中国で生まれたものですが、中国をはじめとしたアジア各国では、年月日や方角などを示すために昔から活用されてきました。その中で、干は幹で、支が枝という関係と見られてきました。カレンダーや手帳を見てみると、年月日に干や支が記載されているものも多いでしょう。このように両者を見て、自分が何であるかを把握する必要があります。多くの人が支だけを見ているようですが、これは厳密には片手落ちになっているわけです。

生年月日がポイント

そのことを踏まえて、干支は何か答える場合には、10種類の干と12種類の支のそれぞれを見なければならないわけです。支は一緒でも、生まれ年によって干が異なるということも十分起こり得ます。例えば、同じ支の人と出会って「この人とは何か違うな」と感じることもあるでしょう。その場合、干が異なっているから個性に違いを感じている可能性が高いです。

「丙午」という言葉を聞いたことはありませんか?丙午はよく聞かれるワードです。丙午とともによく言われるのが「丙午生まれの人は気性が激しい」というものです。これは気学に基づくものです。「丙」は陰陽の陽で、火の要素を持っています。また、午についても同じく陽で、火の要素を思っています。火が重なるのは、火災などの厄災が多いと考えられています。火や炎のイメージがあるので、激情の性質を持っていると言われるようになりました。

このように、両者を組み合わせることで、その人の性格がより詳しく正確に把握できます。まずは自分の場合を確認して、ご家族や友人など、自分の身の回りの人たちのキャラクターをチェックしてみましょう。本質などを見てみると、「確かにその通り!」と思えるようなポイントも見つかるかもしれません。

ところで、野球好きの方はもちろん、あまり野球に詳しくない人でも、甲子園球場は聞いたことがあるでしょう。高校球児にとってはメッカですし、関西の人には「阪神タイガースの本拠地」として親しまれています。甲子園球場の「甲子園」、この言葉も気学が密接にかかわっています。甲子園球場が作られたのは1924年(大正13年)のことです。この年を見てみると、「甲子」年になります。そこから、甲子園という名称が付けられたわけです。広く知られている言葉の裏には、陰陽五行が深くかかわっていることがわかる一例と言えます。

ちなみに、支と干の組み合わせは何種類あるでしょうか?実に60種類あります。つまり、自分の干支が来て、同じ組み合わせが巡ってくるのは60年後です。60年と聞いてピンとくるものがありませんか?60歳になると、還暦のお祝いをするでしょう。これは、60年経過すると暦がまた帰ってくるという意味合いです。普段、私たちが何気なく使っている言葉の裏には、このように気学の考え方がベースになっているわけです。

医学が進歩して、先進国を中心に長寿化が進んでいます。すでに日本でも100歳超えの人もたくさんいます。もしかすると今後120歳まで生きる人もいるでしょう。60年×2の120歳のことを大還暦と言います。

60を一つのサイクルとするのは、古代中国では広く考えられてきた思想です。60年のほかにも、60カ月や60日を一つのサイクルとしてきました。だいたい5世紀ごろに、日本にこの考え方が伝来したと見られています。