コロナ禍で倒産や廃業を余儀なくされる企業や店舗が増えています。一方、厳しい状況ながらも堅実に事業を営んでいるところもあります。この違いは何なのでしょうか?「コロナ禍でも選ばれるお店、応援されるお店とは?」というテーマで、人の気配(けはい)と集客の関連性について見ていきましょう。
人は「気」に影響される
誰でも「ふと何かの気配を感じたらすぐそばに人がいた」なんて経験はあるはずです。通常、こうした出来事は単なる偶然として片付けられてしまうことが多いのですが、実は人は人が発する気を感じているからと解釈するとどうでしょうか。
こう言うとオカルト的な感じもしますが、実は、最新の科学で人の発する気配の正体が突き止められつつあるのです。人間の体の周りには、ごく薄い電気の膜があります。これを「準静電界」といって、これが私たちがふだん感じる人の気配ではないかと考えられています。
人間だけでなく、すべての生き物の周囲には、微弱な静電気のような電解が存在します。そのプラスとマイナス、また、電解の大きさは常に変化しているのですが、これが気配と考えるものの正体の一部ではないかという説が有力なのです。
実際、生き物の体内で微弱な電気が常に生じていることは明らかです。脳が体の各部に指令を出し、それに応じて心臓などの内臓や筋肉が動くのも、電気的な信号があるからです。心電図や脳波計といった医療機器も、その電気信号を捉えて目に見える形にしたものですから、体内で常に電気が発生していることに異論を唱える余地はありません。
ただ、体内で電気が発生するのは理解できるとして、体の外にもベールのように全身を取り巻く電気の層があるというのは不思議な話です。ただ、事実、準静電界の存在は確認されており、人間の周囲に留まって強くなったり弱くなったり変化しながら、常に存在していると言います。
準静電界はすべての生物が持っているため、生体電位とも呼ばれます。ただ、とても弱い電気ですので人が感知するのは難しいとのことです。ただ、難しいといってもやはり何らかの気配を感じることからも、なにかしら感じていることは明らかなのではないでしょうか。
人間の内耳には、蝸牛というカタツムリのような形をした器官があり、これが聴覚を司っているのですが、このなかには有毛細胞という毛の生えた細胞があります。この毛で外から伝わってきた振動を捉え、電気信号に変換して神経に伝えているのです。
世の中には星の流れる音が聞こえるという人がいます。そういう人たちは、内耳によって電解の変化を捉えているのではないかとの説が有力です。なお、女性や子どもの方が男性よりも人の気配を感じやすい傾向がありますが、それは、うぶ毛の多さが関係していると考えられています。
要は、人は「気」に影響されるということです。人の気配というのは確実に存在しており、昔から人はそれを感じていました。「気配り」という気配に似た言葉があるのもその証拠でしょう。
このことはお店の集客を考えるうえでも参考になります。実際、お店の人の気によって集客に変化が見られることはあるので、このことを知っておくだけでも、これからの時代を生き抜くために有効です。
たとえば、お店をやっている方なら、ご自身の体調や気分が客足と関係していると感じることはないでしょうか。たとえば睡眠不足で体調が悪いというような時、「今日はしんどいからあまり人と会いたくないな」とはっきり意識しないにしても、無意識レベルでは考えているでしょう。すると、その気の影響で実際、人は集まってきません。逆に、自分がうきうきと楽しい気分でいる時は、不思議とお客さんが賑わうのではないでしょうか。
このように、自分が心の底で思っていることは、知らず知らずのうちに周囲の人に影響を与えて、それが客足となって表れているのです。人が自然と集まる店には、人が行きたくなるだけの理由があると言えるでしょう。
社会情勢に影響されない場づくり
コロナ禍で集客に大ダメージを受けている企業やお店は多いですが、これまで見てきたように、人を呼び寄せる気の流れができているかどうかは大切です。お客さんの集まるお店とは、お店のご主人がいい気分でいて、お客さんが安心して足を運べる雰囲気があることです。
また、お客さんが常に何人かいることが大切です。逆を想像してみるとわかりやすいですが、お客さんの誰もいないお店には、たとえ清潔そうな店内であってもなんとなく入りにくい雰囲気があるのではないでしょうか。
人が人を呼ぶものですので、社会情勢がどう変化しようとも、お客さんが常に一人でも二人でも安心していられる店を目指すことが基本です。いつもいるお客さんが安心して過ごしてくれるのであれば、そのお客さんたちの安心感が伝わって、きっと他のお客さんも呼んでくれるでしょう。もちろんお店の人が良い雰囲気が発していれば、それを感じた人たちが集まります。
というわけで、このご時世で集客にお悩みなら、いま一度、おもてなしやホスピタリティを見直してみてはいかがでしょうか。