ビジネス・働きかた

運の良し悪しに関わる気学の活用法とは?

経営には運が必要だと言われます。時代の流れが事業の行く末を決することはよくありますし、人と人との出会いは縁によるものですので、運のめぐり合わせが悪ければ、いくら努力しても思い通りの結果を引き寄せることはできません。しかし、もちろん全部運まかせでは立ち行かないのも明らかです。経営者にとって運や縁起などはどのように捉えるべきものなのでしょうか。

成功体験」が足かせになることもある

偶然やツキによる成功を認めない人がいます。真に実力だけで得たものでないと成功ではないという考え方です。もちろん実力を養うことは大切ですから、すべてを運やツキに任せているだけの人よりも正しい姿勢と言えるでしょう。

とはいうものの、こういう努力や実力一辺倒では視野が狭くなる危険があります。成功体験が多い人ほどそれが意外と足かせになるものです。自分の実力で勝ち得た成功という自負が強いほど、それにこだわるあまり新しい一歩が踏み出せないということは意外とよくあるのではないでしょうか。

経営者ならおわかりのことですが、どんな商品やサービスにも時機というものがあります。一時的に大きく売れたとしても、やがては賞味期限を迎え、市場から姿を消すのが一般的です。ロングセラーもあるとはいえ、大半の商品やサービスは、マーケティングの用語で言うところのプロダクトライフサイクルに従って、現れては消えていくのです。

それなのに、成功体験が大きい人ほど、この事実をなかなか受け入れられず、とっくに賞味期限の過ぎた商品やサービスにこだわり続ける傾向があります。すでに時代にそぐわないのに、撤退するタイミングを逸してしまうわけです。

成功体験があることは素晴らしいですが、それにこだわるあまり未来に進む足かせとなるようでは、いま一度考え直さなければなりません。

そもそも一人の人間が経験できることは、一生涯を通じてもそれほど多くありません。成功体験が豊富な人といっても、人が経験し得ることのごく一部にすぎないのです。それなのに、自分の成功体験にこだわり、それを基準に物事の判断を行うようになると、自分の体験から外れたことはすべて却下せざるを得なくなってしまいます。これでは、未知のことに出くわした時に、成功体験に似た事例以外は、失敗のリスクがあるとしてすべて切り捨てることになってしまうでしょう。

しかし、未来にはどんな人も想像できない限りない可能性が広がっています。どんなに成功体験を積んでも、その体験の範囲から大きく外れた出来事は起こるものです。自分が経験しないところにも、未来の成功の可能性が潜んでいることを知らないと、自分の可能性を狭めるだけになってしまいます。

その点、運やツキ、偶然を大切にする人は違います。単に偶然だったと片付けるのではなく、それを現実に生かせないかと考えるのです。たとえば、出社の途中に偶然目に入った看板から新しいビジネスのアイデアを思いつくようなこともあるでしょう。もしくは、いつもの店が閉まっていて、たまたま初めての店に入ったところ、ビジネスでの出会いが生まれたなんてこともあります。

こういう偶然に思えることは、誰の身の回りにも日常茶飯事で起きています。ただ、運やツキを大切にする人はそれをかけがえのない一時だと認識するのに対し、そういう不確定要素を認めない大半の人たちは、それと気づかずやり過ごしてしまっているというだけの違いなのです。

仕事にも人生にも気学を取り入れるメリット

とはいえ、これまで現実の確定的な要素しか信頼していなかった人が、偶然のめぐり合わせみたいなことに出会ったとしても、いきなり的確に判断することは難しいでしょう。一つ一つの偶然に丁寧に向かい合い、その都度、成果につなげられるように判断する訓練を繰り返すしかありません。なかなか簡単なことではありませんが、続けているうちに、自分の実力以上の成功が得られる可能性も広がっていくはずです。

気学は、そういう偶然との出会いの向き合い方に役立ちます。偶然に対してきちんとそれに気づき、的確な行動をできるように判断力を磨くのに有効です。

暦の緻密な体系からなる九星気学は、日々の暮らしを暦を基準として営む私たち日本人に馴染みやすいものです。単なる迷信と片付ける人もいますが、そもそもこれから起こり得る数え切れない事象に対し、一人の人間が的確に判断できると考えることこそ根拠のない盲信です。それよりも古来より伝わる緻密な体系を学び、それに照らして巡りゆく事象に解釈を与えることで、より的確な判断力を養えるのではないでしょうか。

少なくとも、真っ暗闇の世界に投げ出されたかのような私たち人間にとって、未来に取るべき行動の一つの道しるべにはなるはずです。仕事でも人生でも、何らかの道しるべがあるのとないのとでは、その都度の判断や行動に大きな違いが生まれます。もちろん自分自身の経験も大切ですが、それにプラスして気学的な判断を取り入れることには大きなメリットがあるのではないでしょうか。